食器 伊賀

三重県の伊賀土で作られた食器。
「土と釉薬は同じ山のものを使え」という先人の教えの通り、伊賀の職人が伊賀で採れる材料を使い、ひとつひとつ手作りしています。
伊賀は昔、琵琶湖の湖底でした。そのため、亜炭(植物などが土と共に堆積し、長い時間をかけて変化したもの)を含む耐火度の高い、頑丈な陶器作りに適した良質な土が採れます。
釉薬も、伊賀の山の木を燃やした灰や、溶岩が風化してできる長石を原料にしています。顔料による色付けはしていません。
BLAKISTON では、無色透明の釉薬・石灰と、透明性のある黒色の釉薬・黒飴の2種類を展開しています。器表面の貫入(釉薬に入っている細かなヒビ)に、茶渋や食べ物の 色が染み込んでつくる模様を「景色」と呼びますが、この「景色」が、伊賀焼ならではの魅力のひとつです。使用前には必ず、「目止め」という米のとぎ汁で煮 沸をする作業を行い、貫入をでんぷんのりで埋めます。こうすることで、汚れやにおいをつきにくくします。
世の中に多く出回っている器に比べると 少々手間がかかる印象を持つかもしれませんが、使う毎に現れる「景色」に、日々愛着が増していきます。自宅で伊賀の食器を使っているのですが、飾り気のな い普段の料理全般に良く合い、多少欠けてしまっても気にならない不思議な魅力があります。